ドコモショップ

留学前の夏休み、スマホSIMロック解除しに母と地元のドコモショップに行った。

 

SIMロックを解除したい、となると理由を聞かれるので、留学に行くのだと説明した。ショップのお姉さんは「留学ですか〜!すごいですねえ」と言いながら対応してくれた。どれくらい行かれるんですか?一年です、長いですね!すっごい。普通に大学に通われるんですか?そうですね、交換留学なので。今は帰省されてるんですか?あ、そうです、出国前に。大学は県外ですか?あ、そうです、東京で…「東京ですかー!ホンマに羨ましいです。私なんか高校出てずっとここで(働いてま)すよ、いいですねえ」

 

ショップのお姉さんは、髪を綺麗に巻いていて、マツエクバシバシで、ネイルもきちんと、メイクも綺麗で、母は「お姉さん綺麗にされてるじゃないですか」と言っていて私も本当にそうだなと思った。その流れで年齢もなぜか教えてくれたけどそんなに変わらなかった記憶がある。ちょっとしか違わないのになあ。お金をかけてるし手間もかかってる。努力して綺麗を保っている人はすごいと思う、たとえそれが接客業で要求水準が高いとしても。

 

お姉さんは折に触れて「あぁ…いいですねぇ」と言ってくれた。東京で、それでこれからイギリスに、かっこいい、素敵ですねぇ。嫌味じゃなくて本当に羨望を感じた。

 

私は高校が進学校だったから、周りも県外の大学に進学する人が多かったけど、少し高校のランクが落ちたら、就職する人が多い。中心地のドコモショップに就職できているのは、きっといい方だと思う。小学校は公立だったから、きっと私の同級生もこんな感じの人が多いんだと思う。もうずっと会ってないけど。これが田舎で、歩くと知り合いに出会って、そこで生まれて一生暮らして死んで行くんだ。

 

悲しくなった。

だって私はその時はかろうじて化粧はしていたけど普段はそんな気力もなくボロボロで、すっぴんで丸ノ内線乗るし、その時は夏だから特に鬱明けで、東京で泣きながら暮らしていて、数年しか変わらないのに毎日きちんとして自立しているお姉さんの方がすごいと思った。全然偉い。綺麗を保って人前に出ていてすごいと思った。悲しかった。東京に出て、女子大生して、OLになるんや!って田舎の高校生が目をキラキラ輝かせていう憧れそのまんま見ちゃった気がした。で、海外も行って、超かっこいい!か。私、ここの土地では、幻想の対象なんだろうか。

 

なんか、同じように生きてきても、私の進んでるところが、お姉さんには憧れで手が届かなかった人生なのだ、ってところ、全然下に見てるわけじゃないんだけど、格差が現前したみたいで、ニュートラルに衝撃だった。普段大学行って、行けてなくて、死にそうな私は、?

 

ああ、違うんやなって思った。なんだか悲しかった。

私は勉強するからいい!って綺麗になることに時間をかけてこなかったことを悔いている節があるし

うまく言葉にできなくて悲しい。ガンって殴られた感じした。

 

数少ない友達が関東の大学を退学して実家に戻った。

 

閉鎖的な地縁の存在を思い出した。

突然ドコモショップのことを思い出したのはだからかもしれない。

 

私の状態は悪い時は悪くていい時から振り返るとなんでこのことで頭が飽和してたんだろう?って思うことがよくあるから、だから悪い時は勢いで記録しておかないと、その時の自分が、全然わからない。だから意味がなくても、ああ、これはと思ったら、意味がなくても、記録しないと。